観て、聴いて、読んで、体験したアイテムの感動ノート
潜水調査船が観た深海生物―海洋研究開発機構 深海生物研究の現在/藤倉克則 (編さん)
2008年出版。

我が国初の深海生物生態図鑑。深海生物学のテキストである。
東海大学出版会が提供している。
朝日新聞の新刊レヴューを読んで、深海生物好き、図鑑好きの血が騒いだ。
矢も楯もたまらず取り寄せたが、これは凄い本だ。
近年発見された生物も含めて、解説とともにたくさんのカラー写真やイラストが載っている。
数千メートルの深海にうごめく異形の生物たち。
写真は撮られたものの、生体サンプルが採取されていないために、詳細が謎な生物も沢山載っている。
とりあえず付けられた名称のあとに(?)が付けられた例も多く、過去に発見された種と同じなのか違うのか、同定も怪しいものも多数。

“装甲巻貝”ウロコフネタマガイ(スケーリーフット)も載っている。
深海のウミウシたちは、目を疑うばかりの絢爛な姿をみせて、アマゾン熱帯雨林に生息する昆虫のバリエーションを思わせる。

記載情報がたちまち古くなって、役に立たなくなるのはこの手の学術書の宿命として当然である。…が、この内容でこの値段は非常に安い。情報の価値から言っても、2万円以上で売られてもおかしくない書籍である。
数年ごとにバージョンアップされて、新しい研究成果と見比べられることを期待する。

コナン・ドイルの心霊学/コナン・ドイル (著), 近藤千雄 (翻訳)
シャーロック・ホームズの生みの親でもある、コナン・ドイル。
彼は心霊学の開拓者でもあった。作家をやめて晩年は、心霊学研究とその普及に全力を注いだといわれる。

医師でもあり、科学者の目と頭脳をもっていたドイルの、冷静で情熱的な研究のエッセンスを読むことが出来る、心霊学の入門書だ。

なにかと胡散臭さをともなう、スピリチュアリズムの世界だが、これは科学なのだと、認識を新たにさせられる。
大昔のテキストだが、翻訳者の力も大きく、とても面白い。
肉親や大切な人を亡くして悶々としている人には、役に立つ文献だろう。

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無意識の構造 (新書)/河合 隼雄 (著)
先日(7月19日)、心理学者の河合隼雄さんが亡くなった。
追悼の意をこめてこの記事を書く。

これは、自分が20歳の時に読んだ本。
ユング心理学の入門書で、とても解りやすく読みやすかった。
共時性(シンクロニシティ)の解説が面白く、以後、モノの考え方においてかなり影響を受けた。
心理療法家としての実症例に基づく文章は機能的で、箱庭療法についても興味深かった。

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生物と無生物のあいだ(単行本)/福岡 伸一
わりと昔から気になっていたテーマなので、タイトルにひかれて読んでみた。
この人は文章が上手い。実験の説明部分など、正直難解なところも多いのにも関わらず、文系の頭にも非常に面白い読み物になっている。詩的な表現など多彩に織り交ぜて飽きさせない。
感動的なエピローグも良い。

秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。

これは凄い真実だ。



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