その守備範囲の広さ、得意分野の多さは驚異的だ。
昭和40年代の少年誌の見開きグラビアの絵などは、自分はたぶんオン・タイムには観ていないはずだが懐かしい。食人族とかオリバー君とか…ゲテモノのイラストが目をひいたものだ。
紙芝居、看板、映画ポスター、探偵小説、少年誌、少女誌、漫画、スポーツイラスト、官能雑誌、ホモ雑誌……仕事を選ばずジャンルを問わず、凄い画力でひたすら描きまくったアルチザンに敬礼。である。
数年前に手に入れたもの。
カラー図版が多く印刷も良い。
最近この本の日本語版が出版されたらしいが、そちらも興味深い(未チェックだが)。
絵を見るだけなら洋書で充分だが、神話や民間伝承の物語を扱った作品が多いので、製作にまつわるエピソードなどを知るとまた鑑賞に深みが増すと思う。
(英語力が有る人には不要だろうけど)
この画家の作品は、いろいろな展覧会で何度か観てきたが、同時代の画家の中では一歩抜き出て輝いている。いわゆるラファエル前派と呼ばれる動きに取り込まれがちだが、それらとは一味違うセンスを感じる。
ぜひ、代表作を集めた個人展覧会を日本で開催してもらいたい。
最近人気なので盛況になることだろう。
100年間の人生で、膨大な作品を残した。
ペンによる細密画の切れ味、躍動感、美しさは驚異的。
とくにチャンバラ画は凄い。
画家本人が剣の師範であったせいか、デフォルメされた動きにも説得力がある。
水と女にまつわる、妖しくも美しい画集である。
マイ・フェイヴァリットな、ジョン・エヴァレット・ミレーや、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの作品も収録されている。
(ウォーターハウスは、日本国内でも最近とくに人気があって、初めての日本語版画集も出版された。昨年のことだが、今まで日本語版が出てなかった事実に驚く。)
印刷された画面は小さいが、なかなか良い編集だ。
この手の美術書は、たいがい海外版の邦訳という場合が多いが、この本は作品のセレクトからテキストまで、日本独自企画であるのが特徴だ。
みうら氏と仏像との関係は浅からぬものと知ってはいたが、ここまでとは。
小学生の頃にセッセと作っていたという「仏像スクラップ」が凄い。
ひたむきな情熱が溢れている。
かく言う自分も、最初は小学生の頃に仏像に興味を持ち、中学〜高校にかけては、写真集に載っている有名な仏像(彫刻)を模写したりしていた。(東大寺・戒壇堂広目天などは当時のフェイバリット)
奈良〜京都へ修学旅行に行った時には、ずっと見たいと思っていた東大寺三月堂の月光菩薩を穴のあくほど見つめたりもした。
しかしみうら氏の情熱は、自分などの比では無かったようだ。
京都在住であった地の利もあるが、小学生にしてこの行動力。
記録を残すことへのこだわり。
大学の先輩でもあるが、仏像の先輩でもあったのだ。ウ〜ム。


