観て、聴いて、読んで、体験したアイテムの感動ノート
見仏記〈4〉親孝行篇(文庫)/いとうせいこう(著)、みうらじゅん(著)
文庫版4冊めは、いとうとみうら、それぞれの両親を連れた見仏の旅だ。
最も恥ずかしくて照れくさいことを敢えてヤル、という企画が面白い。

親友との気ままな2人旅に、歳をとった親夫婦が一緒になると、予期せぬ小さなトラブルもあって、それが今回の旅の味にもなっている。

見仏記〈3〉海外篇(文庫)/いとうせいこう(著)、みうらじゅん(著)
文庫版3冊めは、海外編。
韓国〜タイ〜中国〜インドと、仏教伝搬コースを逆に辿るような旅だ。

なかなかに過酷な旅だったらしく、とくにインドでの、炎天下を小型車で片道8時間かけてたった一体の仏像を見に行くくだりは、凄い。
8時間かけて行って、仏像一体を見て、そのまま8時間かけてとんぼ返り。
車中では何もすることが無く、猛暑で気力も体力も奪われる。
そんなにまでして、仏像を見るということに、一体何の意味があるのか。
いとうもみうらも、自問しているが、結局「仏像中毒」「病気」という結論になっている。
都合良く雑誌の読み物として取り上げられているから良いものの、それが無ければただの病人だと、文中でいとうは述べている。

それから10年以上経った今でも、見仏の旅は続いているわけで、この病気は不治の病なのかもしれない。

私のこだわり人物伝 2008年4-5月 (2008) ヘルベルト・フォン・カラヤン 時代のトリックスター/グレン・グールド 鍵盤のエクスタシー (NHK知るを楽しむ/火)
NHK教育TVの番組「知るを楽しむ/私のこだわり人物伝」のテキスト。
4月はカラヤン、5月はグールドについて、それぞれ天野祐吉氏と宮澤淳一氏が語っている。

レコードやビデオといった、複製(コピー)芸術の重要性を誰よりも理解し、精力的に記録を残した2人の音楽家。
指揮者とピアニストという立場の違いもあり、2人のパーソナリティはかなりかけ離れているけれど、録音に対する姿勢は共通するものがあったようだ。
(2人とも、新しモノ好きだし)

グールドに関しては、今月4回に分けて放送中だ。
短い番組だが、内容が濃い。
吉田秀和氏や、坂本龍一氏などのコメントも興味深い。

みうらじゅん・いとうせいこう TV見仏記10 奈良/京都 宇治編
10本めは、今までフォローして来なかった「王道」を行く、奈良/京都 宇治編。
まさに修学旅行コースである。

東大寺の、なんでも無闇にデカイ迫力はやっぱり凄い。
新薬師寺の国宝十二神将塑像は、スターそろい踏み感がいい。
作製当時の極彩色を再現したCGにはビックリする。

中3の姪が今月、奈良/京都に修学旅行に行くので、予習のつもりでこのDVDを見せたが、とくに興味を示していなかった。
へんなオッサンたちがくだらない話をダベリながら仏像を見て歩く番組など、十代の女子に興味を持てと言うのが土台無理な話ではあるw

見仏記〈2〉仏友篇(文庫)/いとうせいこう(著)、みうらじゅん(著)
文庫版の2冊め。
特に年月日の記載が無いのだが、1990年代前半の旅の記録である。
当時は、いとうもみうらも30代前半。この頃既に、見仏記は長期化の計画があった事が文章から判る。

いとうの文章は簡明で面白い。
男同士の2人旅が、何故日本では根付かないのか…などと考察しながら、ホモ疑惑に怯える姿が微笑ましい。
「旅は視野を広げるために行うものだと言われるが、私にとっては逆だ。個人の視野が限られていることを痛感するためにこそ、旅はある。それがどうも憂鬱で、私は旅を好まない。」という部分には、ちょっと共感する。