CTIレーベルに残した、“復活”後第一弾アルバムであり、後期チェット・ベイカーの代表作である。
歯を折られてトランペットが吹けなくなり、入れ歯を入れて一から出直し…
その間、ガソリンスタンドでバイトしたり、生活保護を受けたり。
ジャンキーでどうしようもない愚か者だが、トランペットだけは諦めなかった。
入れ歯でも吹ける独自のアンブシュア(唇の使い方)を開発して、奇跡の復活を果たしたのがこの作品だ。
「枯葉」「ファンク・イン・ディープ・フリーズ」のベイカーのソロは、背筋がゾクッとするような快感をともなう。ちょっと聴きには甘いのだが、ダークでビターな味わいがある。
ドン・セベスキーのアレンジがほどよく、スティーブ・ガッドのドラムがうるさいのも、許せてしまう。録音はルディ・バン・ゲルダー。



