膨大な録音を残して、死んでから20年近く経つのに今だに発掘音源やレア・アイテムが続々発表されるのが、チェット・ベイカーというジャズマンである。
自分はアナログ盤は1枚も持っていないが、CDラックを調べたらベイカー名義のCDだけでも150枚以上あった。参加アルバムや、既に入手不可能な物、未CD化の物(これが多い)を加えると、一体どのくらい存在するのか判らないくらいだ。
その多くが晩年のもので、まさに玉石混淆、演奏内容は良いのと頂けないのと半々くらいだ。好不調の差が激しく、とにかく何でも録られて勝手に売られてしまうので、ベイカー本人はレコードになっている事さえ知らなかった作品も多かったと聞く。
このアルバムも、そんな流れの1枚のような気がする。
本人がどこまで積極的に関わっていたのか…?
レイチェル・グールドなるオランダの女性ヴォーカリストとの連名アルバムだが、二人の絡みも希薄で連名の意味があまり無い。
かつてのスターで本場アメリカの有名ミュージシャンであるチェット・ベイカーの名前が欲しかっただけかも知れない。
ベイカーはただ旅先で仕事をもらって、スタジオに呼ばれて行って、ラッパを吹いてスキャットで適当によろしくやっただけ…という感じ。
イマイチ精彩を欠く内容だが、それでも時折スウッ…とくるクールなフレージングがあり、さすが腐ってもチェット・ベイカーではある。
昔は、このLPジャケットを自室に飾っていたことがあった。(ちょっとヤバいか)
手鏡を持ってこちらに視線を向ける風情が、なんとも絵になっていて好きなアルバムジャケットだ。
内容は、ホーンも絡めた音作りで実験的な面もある意欲作。
表題曲"THE BELLS"が特にキレている。

2006年に行われた、第九回インタラクティブ・ライブを収めたDVD。
CGは美しく、ヴォーカルも年齢を感じさせない(ある部分では若いときよりも声が出てるのは驚き)。
下からのショットが司会者の小倉智昭氏に似てる…まあそれはどうでもよい。
さすがにちょっとマンネリか…内容的には目新しさは感じない。
「声」以外に物理的にオーディエンスが参加する要素も無くなったし。遊びの部分では少し退化しちゃったかも。
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