全米1位の表題曲を含む、大ヒットアルバムである。
当時フィル・コリンズは押しも押されもせぬスーパー・スターで、「世界一忙しい男」とか言われていた。
このアルバムはそんなコリンズの、ちょっと鼻につくくらいのあざといポップセンスが煌めいている。
それだけではなく、ちゃんと老舗プログレバンドの面目を保つような大作も織り込んでいながらアルバムチャート最高位全米3位、85週ランク・インという記録は凄い。
いま聴くと、「混迷の地」のような直接的政治的メッセージソングは陳腐で聴くに堪えないが、バラードの「イン・トゥー・ディープ」などは沁みる。
12作目にして、バンド名をアルバムタイトルにしたところに、充実と自信を読み取る事が出来る。
程よくプログレッシヴで、すぐれたポップロックアルバムになっている。
アグレッシヴだが塩梅が非常に良い、奇跡的な名盤。
これ以降、フィル・コリンズは世界的なスーパー・スターになってしまい、直接的政治的メッセージソングや、似非博愛主義に走って芸が荒れてしまった。
本来、コリンズの魅力は、ときにサディスティックとも言える華麗なドラムスとソウルフルなヴォーカルにある。
このアルバムあたりまでは、イヤミが無くて良い。


