マイ・フェイバリット出版社である、河出書房新社から本年(2007年)上梓された。
18世紀のブラック・ジャック。
外科医療のあり方を、床屋の副業から科学にまで高めた人。
膨大な標本を製作し、世界初の自然史博物館を作った人。
チャールズ・ダーウィンより70年も前に、進化論を見抜いていた人。
『ドリトル先生』や『ジキル博士とハイド氏』のモデルにもなった人。
現代に生きる、すべての人間が感謝しなければならない偉人なのに、その業績も名前も一般的には知られていないのは何故か…?
文章が(そして翻訳が)上手いので、ストレス無く非常に面白く読める。
読後は、出来のいい映画を集中して観終えた感じ。
実際に映画化したら面白いかもしれない。
(新聞広告で見かけて、新宿に出たついでに紀伊国屋書店で探したら、「医療読み物」のコーナーに置かれていた。こんなに面白いんだから、もっと露出させてもいいのに。)
自分にとって特に印象的な記述が、本書224ページにある。
〜以下抜粋〜
地質学や生物学という学問が確立されるのはまだ数十年先のことなのだ。ハンターはまず、岩や鉱物、土などの「無生物」と、動物や植物、野菜などの「生物」を分けて考える話からした。そして、生きた動物や人間と死んだ動物や人間のちがいを説明した。彼自身、まだうまく説明できないでいたが、「生きている」という状態は、それ以外の状態に「重要な何かが付加されている」と考えていた。
〜以上抜粋終わり〜
最近、21世紀の分子生物学者が書いた本(福岡 伸一著『生物と無生物のあいだ』)を読んだので、この部分は興味深い。


