観て、聴いて、読んで、体験したアイテムの感動ノート
潜水調査船が観た深海生物―海洋研究開発機構 深海生物研究の現在/藤倉克則 (編さん)
2008年出版。

我が国初の深海生物生態図鑑。深海生物学のテキストである。
東海大学出版会が提供している。
朝日新聞の新刊レヴューを読んで、深海生物好き、図鑑好きの血が騒いだ。
矢も楯もたまらず取り寄せたが、これは凄い本だ。
近年発見された生物も含めて、解説とともにたくさんのカラー写真やイラストが載っている。
数千メートルの深海にうごめく異形の生物たち。
写真は撮られたものの、生体サンプルが採取されていないために、詳細が謎な生物も沢山載っている。
とりあえず付けられた名称のあとに(?)が付けられた例も多く、過去に発見された種と同じなのか違うのか、同定も怪しいものも多数。

“装甲巻貝”ウロコフネタマガイ(スケーリーフット)も載っている。
深海のウミウシたちは、目を疑うばかりの絢爛な姿をみせて、アマゾン熱帯雨林に生息する昆虫のバリエーションを思わせる。

記載情報がたちまち古くなって、役に立たなくなるのはこの手の学術書の宿命として当然である。…が、この内容でこの値段は非常に安い。情報の価値から言っても、2万円以上で売られてもおかしくない書籍である。
数年ごとにバージョンアップされて、新しい研究成果と見比べられることを期待する。

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