現在公開中(2008年11月22日〜ロードショウ)である。
激烈なスピードで感染していく原因不明の「失明」がもたらす人間ドラマ。
低予算であろうことが想像されるが、それをあまり意識させない丁寧な作りで、人類を襲う未曾有の災厄を描いている。
とは言うものの、「全世界、失明。」というコピーのようなスケール感は、正直言って出ていない。世界各地でロケをするような、予算を使える映画ではなかったのだろう。
しかしこの映画の価値は、見た目の演出よりももっと深いところにあるような気がする。
よく解らないが、宗教的なメッセージも含まれているようだ。
DVD化されたら、もう一度じっくり観てみたい。
『ゾディアック』(2006年/アメリカ)で人間味溢れる刑事を演じて印象深かった、マーク・ラファロが今作でも実に良い。
伊勢谷友介と木村佳乃は、脚本に書かれた少しぎこちない日本語のセリフを、極力自然に演じていて良い。木村の、疲れきって途方に暮れた表情は、セリフ以上に観客に訴えかけるものがある。
ジュリアン・ムーアは、個人的にそんなに好きな女優じゃないのだが、さすがに存在感が大きい。主演にふさわしい。
が、この映画は、それでオッケー。なんせ目が見えなくなるので、原因の究明どころじゃないんですよね。結局、人間の文化が「視覚文化」であるというのがよくわかりました。
あと、映画の展開に関係なく恐怖感があるのは、自分の視力が無くなったらというどうしよう?といく意識がよぎるためでしょう。
また、もし他全員の視力がなく、自分だけ見えるとしたら、自分はどう行動する?という葛藤もわきおこり、ストーリー以上に考えさせられる映画。テーマの選択勝ちでしょう。


