観て、聴いて、読んで、体験したアイテムの感動ノート
鉄腕アトム (13) (手塚治虫漫画全集 (233))/手塚治虫 (著)
浦沢直樹『PLUTO』の原作「地上最大のロボットの巻」が収録されている。

実は、自分が持っているのは朝日ソノラマ刊/サンコミックス版(昭和52年第9版)なのだが、これは現在入手が難しいらしい。この版で既に、手塚が自らオープニングの解説を漫画で描き加えている。それによると、この「地上最大のロボットの巻」はアトムの中でも最も人気のあったエピソードで、手塚が根っからの悪役にしきれなかったプルートウが破壊されたときに、抗議の手紙がどっさり届いたそうだ。
アトムのテレビアニメが人気を呼び、手塚自身もいちばん仕事が楽しかった時期に描かれた作品だそうだ。

いま改めて読むと、アトムの行動にひどい矛盾があったり、差別的な表現があったり、現在のリアル指向の漫画と比べると結構キツいものがあるが、やっぱり泣けてしまう…プルートウがウランと心を通わす場面とか、エプシロンの自己犠牲とか…やはり名作なのである。

手塚は自ら昔の作品を修正してしまう悪いクセ (笑)があるのだが、この作品は全集版ではどうなっているのだろうか?(チェックしてないけど、リンクだけは貼る↓)

PLUTO (1) 〜(4)/浦沢直樹 (著), 手塚治虫 (著), 手塚真 (監修)
現在連載中のコミックで、単行本が4巻まで出ている。
鉄腕アトムの1エピソード「地上最大のロボット」を原作とした、リメイクである。

自分の印象としての浦沢直樹の漫画は、1コマの絵のパワーが薄い。ワンカットの中の情報量が少ない漫画だ。そして、話の展開が遅い。無駄に長いので途中で飽きるのだ。
絵は上手いけれど、魂で描いてない気がする。感情表現も、ステレオタイプにシミュレートされた感があって、のめり込めないところがある。つまり、汗をかいてない感じなのだ。
評判を呼んだ『MONSTER』は途中で飽きて読むのを止めてしまったし、それ以降『20世紀少年』とかも読んでないのだけれど…
この『プルートウ』においても、その傾向はある。

しかし、だ。
なにしろあの原作を、こんな形にして現代に蘇らせちゃったのだ。
しかも、アレンジの仕方は(今までのところ)とても魅力的だ。
原作では、わりとアッサリとプルートウに破壊されてしまった、ドイツのロボット刑事“ゲジヒト”を主人公に据え、アトムは登場人物の一人として、1巻の最後におもむろに登場する。
そのへんの演出は、洒落ている。
ブラックジャックやレオのカメオ出演もニクい。
今後の展開に期待したい。

ハピネス (コミック)/古屋 兎丸 (著)
2006年に発売された短編集。
これは、そんなに怖くない。……まあ、冷静に考えれば十分に怖い漫画ではあるが、それよりも切なさ、儚さが心に沁みる。
痛みとともに感動をおぼえる、珠玉の8編。

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Wsamarus 2001 (Cue comics) (コミック) /古屋 兎丸
2000年に出版された短編集。
古屋兎丸の漫画は、非常に危険なものも多いので、猟奇、グロ系に耐性の無い人には軽々にすすめられないのだが(単行本なのに袋とじになってる作品もあるくらいなので)、それら危険な作品の合間に、心洗われるようなさわやかな佳作もあったりする。

ここに収録された短編『サチといった海』と『いちばんきれいな水』は、読めば誰でも好きになる、愛らしくせつない物語。
『いちばんきれいな水』は最近、加藤ローサ主演で映画化されたが、出来はどうだったんだろう。(2007年7月13日時点で、未鑑賞)

怖いのやグロいのは嫌っていう人は、この本の最初と最後のエピソードだけ読むと良い。
(その他の収録作品が、アレなので…人になかなか薦められないのだけれど)

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